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ゲーム好きマイペース人生の軌跡:年輪日記

就職して子供も生まれて…と、気がつけば10年以上。マイペースなゲーム好きの日常を綴ったブログです。

恩田陸いろいろ

小説、本
卒論準備中、電車に乗っている時間を文献を読むのにあてていました。乗り物の中で本を読むと気持ち悪くなる体質だったのですが、そんな時でもないと文献を読み進める気力が湧かなかったのです。(図書館にこもっていると眠くなりますし、自宅じゃ他のことに目がいってしまうもので…。)

さて、いざ電車の中で読み始めると、意外に集中できるのです、これが。しばらく続けているうちに、すっかり慣れてしまいました。今でも多少目の疲れは覚えるものの、気持ち悪くなるようなことはありません。それゆえ電車移動はすっかり読書時間になりました。

もう文献を読む必要はありませんので、さっそく小説を五冊ばかり読破。恩田陸の『木曜組曲』『球形の季節』『月の裏側』、宮部みゆき『返事はいらない』、白井英『蟻帝伝説クリスタニア』です。

一番のお勧めは恩田陸さんの『木曜組曲』。これは映画の原作にもなったようですね。
謎の死を遂げた高名な作家、時子に近しい関係を持っていた五人の女性が、偶然その死のおりに彼女の住居「うぐいす館」に居合わせます。その時は時子は自殺とされたのですが、毎年時子を偲び、彼女の好きな木曜に「うぐいす館」に集まっていた五人は、あることがきっかけで彼女の本当の死因を探り始め──というストーリー。もちろん五人それぞれに腹に一物あるわけでして。オチに納得行くかどうかは人によると思いますが、そこに至るまでの、この五人の女性の駆け引きが面白い面白い。故人時子の天才肌ゆえに癖のあった人物像を回想として交えながら、緊張感のある展開が楽しめます。しかし恩田さんって、インテリの描き方が秀逸ですね。おそらく恩田さん自身が早稲田出身の作家という「インテリ」だからでしょうが、非常に現実味を帯びた描写だと思います。登場人物のそれぞれに、教養ある人間に見られるある種のプライドと諦観が漂っているんですよねぇ。

『球形の季節』は高校生を中心に据えた青春群像劇。
ただし恩田さんの学園ものですから、もちろん普通の青春群像劇ではありません。分類するとすればファンタジーなんでしょうが、その「幻想」要素が世界への疑問と結びついています。これも面白かったのですが、いかんせん読後感があまり良くありません(笑)。基本的に暗い話です。さてさて、もし僕があの街の高校生だったとしたら、どちらを選択したかなぁ。なんとなく、「跳ぶ」という選択肢を選んでいたような気がします。

『月の裏側』は今日読み終わりました。『球形の季節』の大人版、とでも言うべき作品。
ジャンルはファンタジーと言うより、ホラーになるでしょうか。水路(堀わり)の広がる情緒的な街で起きた失踪事件の謎を、四人の男女が解き明かしていくというストーリー。日常をゆっくり浸食する非日常の恐怖を、丁寧に描き出しています。かなり厚めの本ですが、一気に読んでしまいました。これもお勧めの作品です。

そういえばようやく『アンリミテッド:サガ』を始めました。まだ面白いかどうか、判断が付きかねています。現時点でひとつ不満があるとすれば、システムが複雑かつ前例を見ないモノなのに、説明・チュートリアルがほとんどないという点。不親切なのは今に始まったことではありませんが、説明書くらいしっかり作ってもらいたかったです。しかし革新的な作りですね。少なくとも、ドラクエFINAL FANTASYによって作られたRPG観をぶち壊す作品であることだけは確かです。

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恩田 陸

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