ちょうどNHKの『追跡〝ゴーン・ショック〝』を視聴中。逮捕から1週間未満というタイムリーな時期なので、思ったことをポストしておきたいと思います。
ゴーンさんの逮捕そのものに関しては、実はあまり興味がありません。簡単に自分の考えをまとめると以下の通りです。
- おそらく不正があったのは事実で、さすがにこの規模の案件だと証拠がないと検察も動かないと思われる。
- 上場前を含めると世の中の多くの会社で似たような経営者による経費使い込みなどの問題があることを考えると、おそらくはやり過ぎたか敵を増やし過ぎた。
実はこれよりも気になるのは、日本の産業が経営が無能で現場は優秀なのではないか、という問題です。
現在の日産がルノーの業績を上回っていることを踏まえると、日産のポテンシャル自体は高かった、といえると思います。しかしながら事実は、ゴーンさんが来る前は経営不振に陥っていたということ。
つまるところ経営に問題があった、といえそうです。
同じようなケースはV字回復しているシャープも当てはまります。あれだけ苦戦していたのが、ホンハイ買収後、順調に成果を出しています。
ここから見るに、経営のセンスは圧倒的に後から来た海外勢にあったと言えそうです。
しかしながらあとから来て回復傾向に向かわせるのは、覚悟さえあればできなくはないことだと思います。なぜか。
- 巨大で歴史が長い企業ほど贅肉が多いので、まず贅肉を削れば良い。
- 切り替えのタイミングに託けて特損などで膿を出し切ってしまえる。
- 目の前の仕事に追われずに、冷徹に見極めが行える。
- シガラミがない。
マクドナルドの立て直しを原田泳幸さんが行ったのも、このパターンと言えそうな気がします。
しかしこういった外からの力がないと、やはり立て直しは難しいのだな、というところが一番悩ましいところ。
つまり失敗を認め、膿を出し、無情になり痛みを伴う改革を行うということを、自発的に行える組織というのは、日本では稀なのでしょう。
これは恐ろしい事実だなーと思うわけです。
これがもし国民性に起因するとすると、この国は長期戦が下手というしかありません。
何か改善する仕組みがあると良いのですが、果たして魔法の杖はあるものなのか…。
個人的に、とても興味深く、かつ切実な問題だと思っています。